中央区社会福祉法人連絡会 地域公益活動

参加施設・団体 特別インタビュー

コロナ禍で分断されてしまった地域のつながりを紡ぐことを目的に、区内の保育園・幼稚園と高齢者・障害者施設・高齢者向けサロンが手作りのおたよりを通じて交流する「おたよりでつなぐ”まごころ”プロジェクト」。
2回目となる令和4年度は49の施設・団体にご参加いただき、8の施設・団体にお話を伺いました。


~本プロジェクトにまつわる8施設・団体のエピソード~

渋谷教育学園 阪本こども園 園長 重田 操さん

●プロジェクト参加の想い
当園は2021年に開園しました。コロナ禍での開園で、地域の方との交流がなかなか取れない中、何かできないか考えていたところ、このプロジェクトのチラシを受け取り、他の職員と面白そう!やってみましょう!ということになりました。

●制作物のアイデア
 このプロジェクトのために特別なことを新しくやるのではなく、元々子どもたちが遊びの中で作り上げたものを少し加工したりしてお届けできたらいいな、と思っていました。
 今回、「シルヴァーウィング新とみ」と交流することができました。
 子どもたちと相談し、夏に作った手形・スタンピングを切り抜いてのれん型にすることにしました。どうやったらおじいちゃんおばあちゃんが楽しいかな、首にひっかかったら危ないからどうしたらいいかな?と子どもたちと話しながら決めていきました。

のれんに書いてある文字「むすびつき」も子どもが考えたものです。字も味があっていいですよね(笑)

 5クラスあるので5列、5文字にしようと、言葉選びも子どもたちが考えました。「だいすき♥」「おじいちゃん、、、あれ?おばあちゃんが入らなくなった!」など、子どもたちが自由に候補を挙げ、10個程度のアイデアの中から、意味を教えながら子どもたちに選んでもらいました。
 子どもたちに問いかけ、子どもたちの意見がほぼほぼ取り入れられた形ですね。当園は、子どもがしたいものをできるような環境をつくろうという趣向でやっているので、そんな園風が出たように思います。

●おたよりのやり取りの様子
 つくったのれんは、しばらく園内に飾っていたので、「持って行っちゃうの!?」と残念がる子どもたちもいましたね。おじいちゃんおばあちゃんへのプレゼントだよーーと伝えました。
 後日、「シルヴァーウィング新とみ」さんの広報紙をいただき、プレゼントが利用者さんの手に渡ったことを見て、子どもたちも喜んでいました。自分たちが作ったものがどうなっているか、言葉では理解できない子もいるので、写真で理解ができたのでよかったです。

●おたよりを受け取った際の反応
お返しにいただいたおたよりは、飾りのついたクリスマスモチーフの絵でした。
翌々日、全学年が参加するクリスマス会だったので、会場の壁面に飾らせてもらい、全員に紹介しました。いただいたお手紙に制作風景の写真も入れてくれて、おじいちゃんおばあちゃんの様子が良く見えて良かったです。

12月にいただきましたが、折り紙の鶴や風船が付いていてお正月の飾りにもいいんじゃない?という子どもの意見で、飾りのみ取り外し、玄関奥にある鏡餅と一緒に飾ったんです。(取材当日、その飾りの前で子どもたちが手を合わせていました。)

●今後やりたいこと
やっぱり会いたいですね。施設に行くのが大変なら、公園で一緒に遊んだり、歌が好きなので、わらべ歌のようなものを歌えたらいいなぁと思います。
昔はお節介をしてくれるおじいちゃんおばあちゃんが家にも地域にもいましたよね。今は叱ってくれる大人もとても少ないので、私たちが積極的に外に出ていき、みんなに見てもらって育ててもらえるようになりたいですね。

外部との活動が全然できていないコロナ禍です。あれやりたい!これやりたい!はたくさんあるので、これから少しずつでも形にしていきたいと思います。


中央区立京橋朝海幼稚園 園長 竹谷 直史さん

●プロジェクト参加への思い
 色々な人との関わりを幅広く経験させたいという思いから、日常的に同敷地にある小学校や、園内での異年齢間、他保育園のほか、近隣の高齢者施設との交流を続けていました。コロナ禍となり、これまでの交流がかなわなくなった時、このプロジェクトを知り、子どもたちのために何か良いことができるかもしれない!と思い、申し込みました。この2年間、外との関わりがなかったため、新たな活路を得た感覚でした。

●制作物のアイデア
 今回、高齢者通いの場である「築地集いの場」の皆さんと交流することができました。
 子どもたちに「地域を支えて来てくれた方たちのために何ができるかな?何が喜ばれるかな?」と投げかけ、子どもたちのアイデアを集約していきました。
 当日は天候の都合で子どもたちが直接会いに行くことはできませんでしたが、ビデオレターも添えて子どもたちの様子を、築地集いの場の皆さんに見てもらい、喜んでいただけたのは嬉しかったですね。
 保護者の皆さんからも好意的に受け取っていただけました。

 第2弾では、この地域に京橋朝海幼稚園があって、いつでも行けるような地続きの感覚をお互いに持ってほしいと言う思いから、お招きすることにしました。当日は直接のやりとりをした年長以外の全学年でお迎えできたのも良かったですね。

●地域の高齢者との交流について
 従来は、介護老人保健施設との交流だったため、子どもたちにとってさまざまな気づきや深く感じる部分があったと思います。それぞれ意義があると思いますが、今回はより身近な地域の存在としての高齢者との交流を通し、地続き感を得られたのではないかと思います。ある子は「あのおばあちゃん、うちのおばあちゃんの友達だ!」と話していましたね(笑)
 身近な地域で、これまでここの歴史を作って来られた方々なので、すごく自然で身近な感じがしたのは非常に良かったと思います。

●本プロジェクト後の変化
 令和4年11月に京橋築地小学校・京橋朝海幼稚園開校・開園30周年の記念式典がありました。その式辞の中で、本プロジェクトを通して、地域を支えてきた方々と交流したことをお話しし、自分たちがいかに支えられて今があるかを考える機会にもしようと伝えました。それぐらい、私にとってもエポックメイキング(画期的)な出来事だったんです。
 子どもたちには「この小学校・幼稚園が50周年60周年になった頃にはみんな大人。今度は大人になったみんなが、その時の子どもと一緒にお祝いしてほしい。」と伝えました。みんなでつなげてきてくれた幼稚園。バトンをつないでいくような感覚でつなげていって欲しいと思いますね。

●今後やりたいことは?
 決まりきった形ではなく、試行錯誤しながら柔軟に取り組み内容も変えていきたいですね。あかつき公園で一緒に会って、お話するなどゆったりした時間をとるのも良いかもしれません。お互いの思いを聞き合って、話し合いながら、このような貴重な機会をレールに乗せていけたらと思います。


レインボーハウス明石 施設長 田村 克彦さん
(知的障害者生活支援施設)

●プロジェクト参加の思い
 着任してからの2年間はコロナ禍真っ只中で、今までやってきた祭りなどでの交流が出来ず、地域の方と疎遠になりました。このプロジェクトは、地域の方とお互い同じ地域で活動していることを感じ、励まし合えるような関係を継続することができるいい企画だと思ったので参加しました。

受け取ったおたよりの「ダンス・歌」の映像を見た時の様子
 今回、すぐ隣の「明石幼稚園」の子どもたちと交流させていただきました。9月には、子どもたちが歌やダンスをしている映像を届けてくださいました。
 当施設では、普段は織物・焼き物を作る活動の他、テレビなどの映像を見る時間があるのですが、「施設の近くの幼稚園に通うお子様から、皆さんのために制作してくれた映像」であることをお伝えしてから見てもらったので、とても親近感がわいたようです。

●おたより制作時の様子
 当施設は、通っている方と暮らしている方がいますが、制作物については、重度の障害のある方が暮らしているユニットで考えました。企画段階から利用者の皆さんが携わるわけではないですが、コンセプトとしては、「おたよりの返事をしよう」とクリスマスにちなんだものを制作しました。

 第1弾でいただいたダンスや歌の映像を見て相手のイメージを持ってもらい、利用者の皆さんが携わることができる内容を考えました。11月ぐらいから作りはじめるので、クリスマスという気分になって季節を感じてもらいながら、職員と一緒に作ることができました。

●おたよりのやり取りで感じたこと
 このプロジェクトのような高齢者・障害者と園児の交流がもっと広がっていけばいいなと思いますね。コロナ前は地域の方にいろいろなイベントに参加していただいていましたが、コロナ禍でそれがかなわず、お菓子をいただくなどの方法で交流が続いています。このプロジェクトも素敵な企画だと思いますが、また元の形に戻るためにどうしていけばいいか、というところは気になるところです。

●プロジェクト参加による利用者・参加者・スタッフの変化
 当法人も含め、もともと福祉施設は地域とのつながりを大事にしています。しかし、行事的なものができないために、ここ2~3年新卒で入った職員には、地域の方に施設のことを知ってもらい、協力させてもらうという経験をさせてあげることができませんでした。そんな中で、この企画で地域の方とつながりを持てたことは、少しは励みになったかなと思います。

●今後、地域のつながりのためにやりたいこと
 直接交流ができる時間が戻ってくるのであれば、プロジェクトで交流した幼稚園の方々が卒園されて小学生になった時も施設にきてもらい、交流を長く継続することができればいいですね。そういう小さい時に交流した方々が高校生・大学生になってボランティアとして来てくれて、もしかしたらこの仕事を選んでもらうことになるかもしれません。障害者福祉の分野では、体験してみて「働きたい!」に至ることは、結構あるんです。そんなきっかけになれば嬉しいですね。今回のような交流も大切ですが、今後学校の中で障害に関する授業などがあれば、積極的に赴いていきたいと思います。

昨年、社協の市民後見人講座で話をしましたが、区民の方に幅広く分かってもらうことが大事なことだと感じています。実際「喫茶アラジン」のパンは食べたことがあっても、障害者の方が働いていることは知らないこともあり、どう知っていただくかは、これからも考えていかなければならないことだと感じています。つながるという関係性で、我々にも徳を頂き、地域にも還元できるような場所にしたいなと考えています。

 


クローバーズ・ピア日本橋 施設長 米本美鈴さん
(就労継続支援B型事業所・グループホーム)

●プロジェクト参加の想い
 当事業所は、日本橋浜町にて障害者のグループホームおよび就労支援施設を運営しています。設立当初から「地域とともに」を理念に活動しており、浜町の事業所では日ごろから喫茶店も運営しています。障害者施設のことを知ってもらい、コロナ禍にあっても地域との交流を深めたいとの思いから、このプロジェクトに参加しました。

●おたより受け取りの様子と後日談
 プロジェクトの第1弾では、有馬幼稚園の子どもたちが新沢としひこさんの「世界中のこどもたちが」を、手話をしながら歌う様子を収めた動画をいただきました。耳の不自由な利用者も数人いるため、職員共々とても感激しました。
 私たちの事業所と同じビルには保育園も併設されていて、子どもたちの歌声は日常でも耳にしていますが、ただ「聞こえてくる」のと、自分たちに向けて「披露してもらう」のとでは大きな違いがあるのだと実感しました。
 子どもたちからもらったお手紙は、利用者がいつでも見られる仕事場に貼ってあるのですが、ふと目に入るたびに活力が出て、作業場の雰囲気も明るくなる気がします。

●おたより制作時の様子
 平均年齢が50代の当事業所の利用者と子どもたちが対面で遊べるようになったときにも一緒に使えて、子どもたちだけでも手軽に遊べるもの、そして40人を超える園児一人一人に行き渡るもの…と考え、お手玉に決定しました。
 子どもの手の大きさを想像してサイズを調整したり、お手玉の中身が出てきてしまわないよう試作を重ねました。ミシン、手縫い、布の裁断と工程を分け、なるべく多くの利用者に関わってもらい、完成しました。
 お手玉を上手に遊べるように練習するのはもちろん、かごに投げ入れて遊んでもらうのも良いですしね。触るだけでも気持ちが良いんですよ。 

●今後やりたいこと
 私たちの事業所は、コロナ禍前は施設内行事だけでなく、地域の行事にも積極的に参加していました。一日も早くコロナ禍が明けて、地域の行事に参加したり、直接の交流を持ったりしたいですね。


相生の里  支配人 荻原 真理子さん
(グループホーム・ケアハウス他)

●プロジェクト参加の思い
 コロナ前は、近隣の保育園の運動会や発表会に呼ばれたり、月に1~2回は施設に来てもらい、一緒に絵を描いたり、歌を披露してもらう機会がありました。皆さん穏やかな表情で、ヒザの上に子どもを乗せたりと、とてもいい時間だったんです。
 

最初にお声掛けがあった令和3年当時、コロナ禍で入居者の方々の外出が制限され、行くのは病院と施設の往復。家族との面会も制限され、地方のご家族ともLINEで話すのがやっとでした。これまでの保育園との交流もブツっと寸断されました。地域とのつながりが断たれた高齢者施設は、陸の孤島のような感覚です。小さなお子さんとの交流ができなくなっていたので、どういう形になるか考えるよりも先に手が挙がった感じでした。もう一度、なんとか地域との交流をと思っていましたね。

●おたよりのやり取りの様子・後日談
 今回、ケアハウスは「保育所まぁむ月島駅前園」と、グループホームは「月島聖ルカ保育園」と交流させていただきました。
 9月におたよりを届けてくださった時、子たちが「こうやって作ったんだよ」と説明しようと利用者の周りに集まってくれ、引き離さないといけないほどでした。今もいただいた絵やカレンダーを飾っています。認知症の方が多いので、もらった時のことは覚えていませんが、毎日新鮮な反応をしてくれます。職員から、園児の皆さんから聞いた制作時の話を伝えると「あら、すてきねぇ」と喜んでくれています。そういう意味でも、直接会えたのは良かったですね。

●おたより制作物のアイデア
 職員が季節を取り入れたものをと考え、ケアハウスでは裁縫が得意な入居者の方と職員が協力し、フェルトでクリスマスのオーナメントを作りました。また、グループホームでは、月に2回地域(佃2・3丁目)の掃除をしているんです。そこで、利用者と共に集めた落ち葉を使って貼り絵を制作することにしました。

●今感じていること
今は、感染対策をきちんとした上であれば、交流の機会を持てるようになりました。私は、「地域交流は人の命を救う」と思うんです。在宅生活が難しくなった方がここに入所していますが、地域で支え合えていれば、地域で生活できた方もいらっしゃいます。高齢者の方々も、この施設も、地域に支えられているんですよね。私たちが特別できることじゃなくて、一緒にできることを考えていきたいです。

●今後やりたいこと
 今玄関ホールは、テープを貼ってルートを確保したり、「立ち入り禁止」の看板が貼ってあったりしますが、コロナ前は広いスペースで、朝は地域の方たちが自動販売機で買ったお茶を飲みながら2,3人でおしゃべりしている光景もありました。「おはようございます、今日は寒いですね」とか挨拶を交わしていたんです。以前は地域の方がふらっと来て、交流があった場所なんです。それを早く戻したいなと思います。

 それと同時に、1階にある広い部屋を地域の方に使っていただいて、介護の相談にのったりとか、認知症のグループホームもあるので、困りごとのご相談にのっていきたいと思っています。そのためには、来ていただける環境や仕掛けを作りたいけど、まだ皆さん二の足を踏んでいるような気がします。
 また、月に1回程度、施設のすぐ前の広場を利用してマルシェのようなこともしています。お魚屋さん来ますし、移動スーパーとかお花屋さんも来ます。入居者の方だけでなく、地域の方も買いにいらっしゃいます。お花やごはん、ドリンクやパンを買って、、、そこで座ってお茶飲んだりして。そういう地域の方との交流を、もっと増やせないかなと思っています。


ココファン勝どき 事務所長 鍛本 佳伸さん
(サービス付き高齢者向け住宅)

●プロジェクト参加の想い
当法人は「学研版地域包括ケアシステム」といって、それぞれの地域で多世代交流に力を入れています。今回本プロジェクトを紹介していただき、コロナで中断されていたことができる良い機会だと思い、積極的に参加させてもらいました。

●おたより制作時の様子
 今回、当事業所から徒歩5分ほどの所にある「ほっぺるランド新島橋かちどき」さんと交流させていただきました。
 第1弾の際、子どもたちに来てもらう予定だったんですが、コロナの影響で実現できず、非常に落胆しました。それもあって、第2弾は利用者だけでなく職員も、直接会えることを非常に楽しみにしていました。第1弾では、子どもたちから折り紙で作ったリースをもらったんですが、それを超えたい!という思いもあり、職員も知恵を出し合いながら楽しんで準備をしていましたね。普段のレクレーションに取り入れ、利用者の方々に制作してもらいました。

●おたより受け渡しの様子
 第2弾のおたよりのお届け当日、子どもたちと直接会って利用者の方々の表情が一瞬で変化したのは、私も職員もとても感動しましたね。認知症があり、普段気持ちをあまり表現することができない方の反応が見られたのも、とても嬉しかったです。非日常の刺激が良かった。
 子どもたちも、職員のサンタとトナカイのコスプレに和んでくれてよかったです。コスプレは職員本人たちの趣味ですが(笑)

●今後やりたいこと
季節行事に来てもらったり、コロナがもっと落ち着けば、一緒に遊ぶような時間がもてたらいいと思っています。その時の利用者の方々の変化も、多くの職員に見てもらって、その意味を感じてもらいたいですね。職員が変わっても続けられるように取り組んでいきたいと思います。


中央区高齢者通いの場 よりみちクラブ
代表 金井 良さん(東京都理学療法士協会中央区支部)

●プロジェクト参加の思い
 「よりみちクラブ」は介護予防を目的に体操や脳トレ、体力テストを行う中央区「高齢者通いの場」の一つで、高齢者の方向けの活動ですが、東京都理学療法士協会としては、「より地域とつながりたい」という思いがありました。今回、社会福祉法人連絡会の方から声をかけてもらい、地域の保育園と交流する機会が得られるとのことで参加させてもらいました。

●おたよりをもらったときの高齢者の反応
 今回、「ベネッセ勝どき保育園」の子どもたちと交流することができました。
 9月の活動の日に、7名の園児が来てくれました。子どもたちから参加者1人ひとりに手作りのしおりを手渡ししてくれ、皆さん嬉しそうにされていましたが何より、普段高齢の参加者だけでやっているアクティビティを子どもと一緒にしたり、第2弾の際は、園児の皆さんがハンドベルを披露してくれたことが嬉しかったのではないかと思います。

●おたよりのアイディア
 本来、よりみちクラブの活動は身体を動かすことが中心で、創作活動を行っていないため、1回の活動時間(1時間)で作れ、クリスマスにちなんだものを考えました。手先が器用な方とそうでない方がいると思い、皆さんに楽しんで作業してもらえるものとして、紙皿に色紙をちぎって作るクリスマスリースにしました。

●プロジェクト参加後の感想
 今回2回の交流を通し、子どもと高齢者が、頭と身体を使ったアクティビティ(スクエアステップ)を一緒にすることができ、地域とのつながりの一歩を踏み出せたような気がします。
 昨今の核家族化により、自分のおじいちゃんおばあちゃんが遠方に住んでいるという子どもが多くいます。私も田舎の出身で、郷土には農作業や芋煮会など高齢者が中心となって集まる場があります。また、そういった場に子どもが遊びにいくという環境がありました。都会ではそういった場が少なくなっていると思います。
 高齢者の方を大切にしないといけない、人生の先輩として敬う、子どもたちがこういう当たり前のことを自然と学べる機会が少なくなっています。私自身、小学1年生の子どもを育てていますが、父としての目線でも良い機会だったと感じています。

●今後の展望
 子どもと高齢者が、顔と名前が一致し、「この間会った○○ちゃん」「この間のおばあちゃん」と交流ができるようになれば、地域内の防犯や安心感につながると思っていて、そういう地域を目指したいです。
 もっと言えば、石川県の佛子園に感銘を受けていて、高齢者や障害のある方、子どもが一緒にいられる居場所を作っていきたいという思いがあります。都会ではハード面が難しくても、ソフト面ではクリアしていけるのではないかと考えています。放課後の時間に、地域の人が顔見知りになれる、全ての人が分け隔てなく過ごせるような場ができるといいですね。


中央区高齢者通いの場 銀座ぷらっとサロン
代表 佐々 順子さん

●プロジェクト参加の想い
 2022年1月より公園で子どもたちに本の読み聞かせをする「銀座一丁目駅徒歩1分図書館(ぎんいち)」という活動をはじめ、同年4月に高齢者の方々を対象とした通いの場「銀座ぷらっとサロン」の活動もスタートしました。

 この2つの活動を始めた背景には、私自身が中央区で生まれ育ち、子育てをしてきたことにあります。いい意味でおせっかいで人情味あふれ、思いのある方が今もたくさんいらっしゃる地域だと思います。この思いが子どもたちの代まで引き継がれ、下町気質の地域がそのまま残っていてほしい!そしてこの点(子ども)と点(高齢者)の活動を結ぶことができたら・・・と日頃から思っていた矢先、社会福祉法人連絡会の方からこのプロジェクトの紹介があり、やりたかったことにぴったり!と思い、参加しました。

●おたより制作時の様子
 今回、活動拠点である京橋コミュニティルームの目の前にある「Kuukids銀座」の子どもたちとの交流ができました。
 糸掛けの講師をしている友人にお願いし、糸掛けで作るクリスマス用のオーナメントにしました。手作業を伴うので参加者の皆さんの脳トレにもなること、保育園のクリスマスツリーに飾ってもらえることが決め手になりました。
 11月の活動の際に、参加者の皆さんと作成しましたが、それぞれ好きな糸を選んで色とりどりのオーナメントができました。

●おたよりお渡しの様子と後日談
 当日は、5人の子どもたちが来てくれました。楽しく入ってこれるように、みんなでアーチをつくってお出迎えをしました。お渡しの時は、子どもたちの名前を呼び、座っている参加者のところへ行ってもらって、一人一人に手渡しすることができました。
 子どもたちには、近所に住む大人がみんなを見守っているので、街で会ったら元気にお声かけしてねと伝えました。後日、参加者の方が保育園の通りを歩いていたら、通りの対面から「おーーーい!」と子どもが手を振ってくれたそうです。こうやって地域の人の顔を知ることで、信頼していい大人がいること、それを自分で判断することができれば、有事の際の助け合いもよりスムーズに安心してできると思うんです。

●今後やりたいこと
 参加者の方々からも、また子どもたちとモルックをしたり、工作をするなどの交流ができたらいい、という声もいただいたので、ぜひ今回つながった子どもたちとの交流が続けられたらいいですね。
 これまでの「銀座1丁目駅徒歩1分図書館(ぎんいち)」「銀座ぷらっとサロン」に加え、地域の民生・児童委員の皆さんと「ユルっと銀座」という子どもたちの遊び場兼子育て相談の場を始めました。地域で子育て・見守りができる安心な地域になればうれしいです。


問合せ先

中央区社会福祉法人連絡会事務局
(中央区社会福祉協議会 管理部)

電話:03-3206-0506

FAX:03-3206-0601

メール:koueki(at)shakyo-chuo-city.jp

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