おしゃべりがつなぐ、地域の居場所「ほがらかサロン佃」~ゆるつなメンバーの地域活動取材記事Vol.7~

日常的に外出の機会や他者との交流が少ない70歳以上の方を対象に、食事や懇談、レクリエーションなどを通して交流を楽しむ「ほがらかサロン」。健康体操や工作、歌など、さまざまな活動が行われています。

今回訪れたのは「ほがらかサロン佃」。

会場に入ってまず驚いたのは、皆さんの元気な姿と、あちこちから聞こえてくる楽しそうな声でした。

皆さんは、どんなことを楽しみにここへ通っているのでしょうか。

サロンに通う方々や活動を支える方々にお話を伺いました。

笑い声が広がる、にぎやかなひととき

この日のレクリエーションは、日本の伝統的な遊び「投扇興(とうせんきょう)」。

皆さんは得点を競い合い、誰が一番になるのか本気の勝負です。扇が投げられるたび、その行方をみんなで見守り、会場は大いに盛り上がっていました。

投扇興を楽しんだ後は、みんなで昼食。その後は体操で体を動かし、一緒に歌を歌います。最後はお茶を飲みながら、ゆっくりと過ごします。

レクリエーションや食事など、楽しみが詰まったほがらかサロン。

実際に通っている皆さんは、どんなところを楽しみにしているのでしょうか。

お話を聞いてみると、何人もの方から聞こえてきたのが「おしゃべりが楽しい」という声でした。

月に一度、顔を合わせて話せることが楽しみ

――ほがらかサロンに来る楽しみを教えてください。

利用者の方:
「みんなで集まって、おしゃべりすることですね。月に1回、顔を合わせて話せるのを楽しみにしています。
ここでは近所の情報もいろいろ入ってきます。新しくできたお店や閉店したお店、行きつけのお店のこと、地域のお祭りの様子なんかも話します。
定期的に会うことで、お互いが元気に過ごしていることもわかります。」

近所のお店や地域のお祭り、お互いの近況など、話題はさまざま。月に一度顔を合わせることが、お互いの様子を知る機会にもなっています。

この日、男性で唯一参加されていた方にも、ほがらかサロンとの関わりについて伺いました。

――ほがらかサロンには、以前から参加されていますか?

利用者の方:
「もともとは妹に連れられてきて、妹と二人で参加していました。妹が亡くなってからも、一人で来ています。
今は一人暮らしで、寂しいときもありますが、月に1回ここに来て、おしゃべりできるのが楽しいです。」

きっかけや通ってきた年月はそれぞれ違っても、皆さんの話から何度も聞こえてきたのは、「話すこと」「顔を合わせること」の楽しさでした。

誰かと話して、地域のことを知り、お互いの近況を知る。そんな月に一度のおしゃべりを、皆さんそれぞれに楽しんでいます。

何度でも、元気になってまたここへ

皆さんと話していると、ほがらかサロン佃には長年通い続けている方が多いこともわかりました。

なかには70歳代のころから参加し、20年近く通っている90歳代の方も何人かいます。

長く通うなかでは、病気や怪我でしばらく参加できなくなった方もいました。それでも、リハビリに取り組み、元気になって再びサロンへ戻ってきた方もいます。

3年前に病気を経験した95歳の利用者さんは、回復した今ではヨガにも取り組んでいるそうです。

また、92歳の利用者さんは今年、自宅の玄関で転倒して骨折。一時は車椅子での生活になると言われていましたが、リハビリに取り組み、再び歩けるようになったとのこと。

病気や怪我で一度来られなくなっても、元気になれば、またここへ。

20年近く通い続ける方や、一度離れても再び戻ってくる方がいることからも、ほがらかサロンで過ごす時間が、長い年月のなかでそれぞれの日常の一部になっていることが伝わってきました。

さまざまな世代がつながり、支える場所

ほがらかサロンを支えているのは、運営スタッフやボランティアの皆さんです。この日も、レクリエーションや体操など、さまざまな場面で活動を支える姿がありました。

運営スタッフの方の一人に、ほがらかサロンに関わるようになったきっかけを伺いました。

――運営のお手伝いをするようになったきっかけは何だったのでしょうか?

運営スタッフの方:
「妻がほがらかサロンの運営に参加していたことがきっかけで、私も運営を手伝うようになりました。もともと子どもたちにスポーツを教えていたので、その経験を活かして、ここでは皆さんに簡単なストレッチを教えています。」

家族をきっかけに始まったサロンとの関わり。今では自身の経験を活かしながら、活動を支える一人になっています。

そしてこの日は、サロンのリーダーのお孫さんも、ボランティアとしてお手伝いに来ていました。

――いつごろから、ここでお手伝いをしているんですか?

ボランティア:
「小学5年生のころから、長期休みのときだけボランティアでお手伝いしています。今は中学2年生です。」

長期休みのたびに顔を見せていることもあり、利用者の皆さんやほかのスタッフとも顔なじみ。皆さんからかわいがられている様子が伝わってきます。

――ここに来る楽しみは何ですか?

ボランティア:
「利用者さんとお話しするのが楽しいです。」

参加している皆さんとは世代が大きく離れていますが、ここで顔を合わせ、言葉を交わすことを楽しんでいるのは同じです。

利用者の皆さんから何度も聞いた「おしゃべりが楽しい」という言葉が、中学生の彼女からも聞かれたことが印象的でした。

家族とのつながりから運営に加わった方、小学生のころから長期休みにお手伝いを続けている中学生。

それぞれの関わり方で、さまざまな世代の人たちがほがらかサロンを支えています。

それぞれの楽しみを持って、今日もここへ

ほがらかサロン佃には、20年近く通い続ける方もいれば、病気や怪我を経て再び戻ってきた方、運営やボランティアとして関わる方もいます。

通い始めたきっかけも、ここでの楽しみ方も、関わり方もそれぞれです。

取材を通して感じたのは、長く続くなかで、ここに集う人たちの関係も育まれてきたということ。毎月顔を合わせる人がいて、しばらく会えなくても、元気になればまた戻ってくる。そして、世代の違う人たちも加わりながら、サロンの時間が続いています。

それぞれが自分なりの楽しみを持って過ごせることが、ほがらかサロン佃の魅力なのかもしれません。

取材先団体について

活動内容や利用について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

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